THE ISSUE

今、私たちが
立ち上がらなければならない理由

プラごみってどうして減らさなければならないの?
世界中の異常気象は、どうして起こるの?
「地球」に起こっている大きな問題について、まずは知ることから始めてみませんか。
私たちが、地球のため、未来のため、自分たちのために
今、立ち上がらなければならない理由。

01

今、私たちの住む地球で
危機的な変化が起きている

世界各地で起きている異常気象。
これまでにない猛暑による熱中症の急増や、熱波による山火事の多発、豪雨による記録的な水害など、みなさんも他人事ではないと感じていると思います。一方で、熱やCO2を吸収し、「気候の調整役」と呼ばれる海でも、ごみによる汚染が進んでいます。これらの環境問題は、私たちの生活にも深刻な影響を及ぼしつつあります。

これらの課題は、普段スポーツを楽しんでいる私たちや
アスリートにも大きな影響が及んでいます。
猛暑で棄権者が続出

2019年、ドーハ世界陸上・女子マラソンにおいて、4割以上の選手が途中棄権。2021年、東京オリンピック・男子マラソンにおいて、3割近くの選手が途中棄権。これらの環境問題は、私たちの生活にも深刻な影響を及ぼしつつあります。

Ⓒ時事

高校球児の熱中症が問題に

2023年、夏の全国高校野球の暑さ対策として、クーリングタイムを導入。酷暑の中、選手たちは首や額に氷のうを当てて体を冷やすなど、各校対策を行った。

Ⓒ朝日新聞社/時事通信フォト

雪不足でレース中止

2021年、札幌で開催される予定だったクロスカントリーのレースが雪不足のため中止に。

海洋ごみによるトラブルも

2016年、リオ五輪のセーリング競技会場では、大会前から水質汚染が問題視されていました。実際にプレ大会では、選手にごみ袋が絡まるトラブルが発生し、転覆の恐れもあるなどの声も挙がっていました。

02

地球に危機をもたらしている問題のひとつ、
それが大量のプラスチックの使い捨て

異常気象や海洋汚染など、地球規模で広がっている環境問題の原因のひとつ
─── それは、私たちが普段の生活で使用しては捨てているプラスチックです。
ペットボトルやレジ袋、食品トレイなどのプラスチックは、
なぜ環境を悪化させてしまうのでしょうか。

大量のCO2を排出

プラスチックは、作るときにもごみとして焼却するときにも、地球温暖化の原因となるCO2を大量に排出。
その量は世界で年間17億トン(※1)といわれており、東京ドーム約1,400杯分に相当。
地球温暖化が進み、異常気象を引き起こします。

※1 出典:ナショナル ジオグラフィック(2021)
「脱プラスチック データで見る課題と解決策 (ナショナル ジオグラフィック 別冊)」日経ナショナルジオグラフィック

海洋ごみの6割超がプラスチックごみ

海に流れ着くプラスチックごみの量は、世界で年間800万トン(※2)
これは、東京スカイツリー約222基分に相当。プラスチックごみは、分解されずに海に長くとどまり、
生き物たちがエサと間違えて食べ、海の生態系を壊すともいわれています。

※2 出典:日本財団ジャーナル「 【増え続ける海洋ごみ】今さら聞けない海洋ごみ問題。私たちにできること」

スポーツ界からも出る大量のプラスチックごみ

私たちがスポーツを行う上で欠かすことのできない水分補給ですが、補給の際に多くのプラスチックが使い捨てられています。
また、競技場に敷かれた人工芝が摩耗して生じるプラスチック片、化学繊維でできたユニフォームを洗濯することで流出する
マイクロファイバーなど、私たちがスポーツを行う過程でも大小様々なプラスチックごみが発生しています。

リサイクルの現実

廃棄されるプラスチック(廃プラ)の約6割は、「サーマルリサイクル(焼却時の熱エネルギーを発電などに使う)」という方法で再利用されます(※3)。しかし、焼却時にCO2が発生し、地球温暖化に拍車をかけているので、プラスチックの使用自体を減らしていくことが大切です。

※3 出典:(一社)プラスチック循環利用協会「プラスチックリサイクルの基礎知識2023」
物質として再利用できない焼却熱の利用は、国際的には「リサイクル」として認められておらず、日本政府もサーマルリカバリーあるいは熱回収と呼んでいる。

03

このままではスポーツどころでは
なくなってしまうかもしれない

プラスチックを使い続け、異常気象や海洋汚染がこれ以上深刻化すると、
私たちの未来はどうなってしまうのでしょうか。
スポーツを楽しむどころか、日常生活すら危うくなってしまうかもしれません。

猛暑日が約20日も増加

このままいくと21世紀末には、年間平均気温が4度上昇するといわれています(※4)
その結果、20世紀末と比べて猛暑日が19.1日前後増加。
大雨の年間日数や短時間強雨の頻度も約2.3倍に増加すると予測されています(※5)

※4 出典:IPCC(2013)「第5次評価報告書第I作業部会報告書」
※5 出典:文部科学省・気象庁(2020)「日本の気候変動2020」

約83%もの砂浜がなくなる

年間平均気温が4度上昇すると、氷床・氷河の融解や水温上昇に伴う海水の膨張により、
海面水位は約71cm上昇すると予測されています(※6)
71cm海面水位が上昇することで、日本の砂浜の約83%が消失するという試算も出ています(※7)

※6 出典:IPCC(2013)「第5次評価報告書第I作業部会報告書」
※7 出典:Keiko Udo, Yuriko Takeda (2017) "Projections of Future Beach Loss in Japan Due to Sea-Level Rise and Uncertainties in Projected Beach Loss",
Coastal Engineering Journal, Volume 59, 2017 - Issue 2.

2050年には魚よりもごみが多くなる

現在、世界の海洋ごみの量は総計約1億5,000万トンに達しているといわれ、
毎年少なくとも800万トンものプラスチックごみが海に流出しています。
このペースで進めば、2050年、海のプラスチックごみの量は魚よりも多くなると予測されています(※8)

※8 出典: Ellen MacArthur Foundation and McKinsey & Company (2016) "The New Plastics Economy: Rethinking the future of plastics".

04

私たちに何ができる?
世界中で始まっているアクション

ひとつの目標に向けて、ひとつになる力のあるスポーツ。
そのスポーツができることはなんでしょうか。
今、世界中でさまざまな取り組みが始まっています。

世界で進む具体的な取り組み
使い捨てプラスチックの利用廃止へ
― 国際オリンピック委員会

2018年、7つのスポーツ団体(ワールドセーリング、国際陸上競技連盟、国際トライアスロン連合、
国際アイスホッケー連盟、ワールドラグビー、国際ゴルフ連盟、国際サーフィン連盟)とともに、
スポーツイベントでの使い捨てプラスチック利用廃止に向けた取り組みをスタート。

ペットボトルの持ち込みを禁止に
― 2024パリ五輪

2024年に開催されるパリ五輪を、史上初の使い捨てプラスチックのない大会にするとパリ市が発表。
競技場へのペットボトルの持ち込みが原則禁止となり、マラソンの給水所では再利用可能なカップを使用する計画。

温室効果ガス排出量を実質ゼロに
― COP26

2020年、COP26(国連気候変動枠組条約第26回締約国会議)で、「Race To Zero」を発表。
CO2などの温室効果ガスの排出量を2030年までに半減、2050年までに実質ゼロに。

日本でも始まった取り組み
8,000kgを超えるごみを削減
― 湘南国際マラソン

2022年、世界初の「マイカップ・マイボトルマラソン」を開催。
参加ランナー全員がマイボトルを携帯するスタイルで、ごみの排出量を過去大会と比較して70%(約8,000kg)も削減。(※9)

※9 出典: 湘南国際マラソンWEBサイトより

TAKE A PLEDGE
TODAY!

できることから始めよう
まずは、スポーツ界から

「HEROs PLEDGE」は、スポーツ界を横断して、
使い捨てプラスチックの削減を推進するためのプロジェクトです。
私たちが、次の世代が、この豊かな地球環境の中で暮らしていけるように、
スポーツ界からできることを一緒に始めてみませんか。

まずは、あなたが行いたいプラごみ削減のためのアクションを
プレッジ(宣言)してみてください。
また、まわりの人にもぜひ教えてあげてください。

TAKE A PLEDGE

プロジェクトに参加しよう!